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パシフィックニュース

ターボメドと出会えて本当によかった!-トライアスロンへの挑戦-

補助器具

ターボメドと出会えて本当によかった!-トライアスロンへの挑戦-

パシフィックサプライ株式会社
義肢装具士 小関俊介

2025-11-04

はじめに

ターボメドは、下垂足の方を対象にした靴の外側に装着する新しい歩行補助具です。体重制限はなく、日常生活やスポーツなどの幅広い場面で歩行をサポートします。
 
靴に専用のクリップを取り付けることで簡単に装着でき、身体に触れる場所がカフの下腿部のみのため足底に違和感がなく、摩擦によって皮膚がダメージを受ける恐れもありません。
 
今回は、ターボメドを履いて2025年8月に開催されたトライアスロン大会に初挑戦し、無事に完走された、柳梨愛さまにお話を伺いました。
 
【柳 梨愛(りあ)さまのプロフィール】

年齢:29歳
職業:学童保育指導員
疾患:12歳で発症した脳動静脈奇形による右片麻痺

 


本日はインタビューの機会をいただき、ありがとうございます。まずはターボメドを使うようになるまでの経緯を教えていただけますか?


私は脳動静脈奇形という生まれつきの血管の奇形があり、小学6年生の時に出血して倒れ、それ以来、右側に麻痺があります。
 
入院中はタマラックという装具を使ってリハビリをしていました。退院後はオルトップという装具を約2年間使用しましたが、その後は使わなくなりました。しかし社会人になる年に「慣れない動作をするから装具を着けておいた方がいい」とリハビリの先生に言われ、そこから再びオルトップを着け始めました。
 
ターボメドと出会ったのは2019年の国際福祉機器展です。ターボメドのブースで試着して走ってみたところ良い感じだったので、近くの義肢装具士さんを訪ねて購入しましたが、靴に装着する際に足首がなかなか動かず、少し大変だったのであまり使わなくなっていました。ところが、昨年ターボメドを着けて走ってみたら良い感じだったので、走るときにはターボメドを使うようになりました。装着も靴の履き口をしっかり開けることでスムーズにできるようになったので気になりませんでした。

右片麻痺になってからリハビリを重ねて歩けるようになり、運動も楽しんで、ついにはトライアスロンに挑戦。そこに至るまでの経緯を教えていただけますか?

私は開頭手術をせずにガンマナイフ治療を受け、脳動静脈奇形が消えるまでの約3年間、運動制限がありました。奇形自体が治ったと言われてからは、水泳や自転車、山登りなど、いろいろなことにチャレンジするようになりました。
 
ただ、やりたいことがあっても移動するのに親に負担をかけてしまうなと考え、二の足を踏んでいたこともありました。でも自分で車を運転できるようになってからは、好きな時に出かけられるようになり、社会人になってからはパラの陸上に参加するようになりました。一昨年にはマラソン大会に初めて出場し、リハビリの先生にパラサイクリングの体験会があると教えてもらい、そこで初めてロードバイクに乗りました。そして去年はパラ水泳の大会にも出ました。

 

私は小学6年生で倒れる前から、元々走ることやプールで遊ぶこと、自転車に乗ることが好きでした。1つの種目で3つの競技をすべてできるのがトライアスロンです。3つともできるようになったという条件が揃ったので、トライアスロンを目指すしかないと思いました。2024年の10月に沼津千本浜トライアスロンへの出場を決め、本格的なトレーニングを始めて頑張ってきました。
 
最初はトライアスロン完走は現実的ではないように感じていました。一応走れるけれどすぐに疲れてしまって長距離は走れませんでしたし、バイクもリハビリで練習していましたが、坂道は怖くて乗ったことがありませんでした。水泳も高校生の時に学校のプールの授業で泳ぎたくて、ジムで練習して一応泳げるようにはなりましたが、距離はそんなに泳げませんでした。
 
2024年の12月にジムで自分でトレーニングをしていた時、急に走れなくなってしまったのですが、実は足を骨折していたんです。その時に見てくれた先生が凄腕トレーナーを紹介してくれて、トライアスロンの直前まで毎週のように一緒に練習するようになりました。
 
トライアスロン大会の運営の方に、私でも出場できるのかと問い合わせた時に「一緒に完走しましょう」と言っていただき、嬉しくて泣いてしまいました。「絶対にトライアスロンを完走したい」という気持ちがあったからこそ、頑張れました。

トライアスロン大会に出てみて、どんな気分でしたか?何かエピソードなどあればお聞かせください。

トライアスロン大会への参加は初めてだったのですが、最初から最後まで全然緊張しませんでした。疲れより楽しさが勝ったのだと思います。特にバイクで風を切って走るのが気持ちよくて、伴走してくれたガイドの方にも「私、すごい楽しい」と言っていました。
 

練習はかなり過酷で、トライアスロンへの挑戦は最初で最後にしようと思っていたのですが、大会が終わってみたらトライアスロンの楽しさを知ってしまい、また参加したいと思えました。
 
バイクでは一番心配していたビンディングシューズの装着もスムーズにでき、「もうこっちのもんだ」と思って漕いでいました。ロードバイクは右回りが苦手で、練習でも転んでしまったことがあったので、折り返し地点では最悪バイクから降りて回るしかないと話していたのですが、本番では少し危ないと思ったものの、耐えてバランスをとって曲がることができました。当日は早起きしてしまったので、トレーナーに教わった体幹ストレッチをやったのが効果的だったのかもしれません。それを報告したら、トレーナーも喜んでくれました。
 

ランに移るときも、すんなりとロードバイクのペダルに固定されていた右足のビンディングシューズからランニングシューズに履き替えられました。ランも調子が良く、沿道の人たちの応援にも励まされて走りきることができました。

ターボメドを使う以前と今とで変化がありましたか?

ターボメドを着けたことで走るフォームが変わりました。麻痺側の足首が上がるようになったため、つまずかなくなり、足が前に出やすくなったと感じています。足の出方が変わり、しっかり踏み込めるようになりました。
 
ターボメドと出会えて本当によかったです。今回は他の参加者より短めの距離だったため、次の予定はまだ決まっていませんが、次回は完全完走を目指したいと思っています。

インタビューを終えて

初めてのトライアスロン大会への挑戦にターボメドを選んでくださった、柳梨愛さま。トレーニング時や大会当日にターボメドがどのような効果をもたらしたのか、インタビューでお話を伺いました。
終始笑顔でお話しされ、大きなチャレンジを実現されたその姿は本当にキラキラと輝いていて、ターボメドがお客さまの目標達成や夢の実現を助ける道具の一つとして役立つ可能性があることを、改めて感じることができました。

 

インタビュー時の様子  (上:柳梨愛さま/下:弊社スタッフ)


ターボメドを使って、ランニングやバイク以外にもテニスや登山などにチャレンジされている方が多くいらっしゃいます。下垂足で悩む方がやりたいことを諦めなくても良いよう、ターボメドを知って試してもらえる機会をさらに整えてまいります。
ターボメドは医療機関や義肢装具製作所を介する他、お客さまが直接ご購入されたりレンタルサービスを利用されたりすることもできます。ターボメドという選択肢に少しでも興味を持っていただけましたら、ぜひお気軽にお問い合わせください。

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