パシフィックニュース
AAC神話の徹底検証:コミュニケーションの可能性を解き放つ!
AAC(コミュニケーション)
VOCAは子どもに難しい?コミュニケーション・支援技術をめぐる“神話”を一蹴する
パシフィックサプライ株式会社
藤田大介
2026-02-02
今回はエーブルネット社の記事を紹介します。VOCA(Voice Output Communication Aid = 音声出力会話補助装置)を子供に導入する際によくある質問や噂を「神話」と例え、その神話について検証した記事です。VOCAを導入しようとする支援者(リハビリに関わる方、教員、保育士の方々等)が導入時に出会い、惑わされる様々な疑問について解決の指針となれば幸いです。
VOCAの導入は、しばしば親御さんや教育者にとって大きな決断となります。しかし、その過程で、AAC(Augmentative and Alternative Communication = 拡大代替コミュニケーション)の使用に関するいくつかの根強い神話に直面することがあります。ここでは、これらの一般的な誤解を打ち破るために、専門家が用いる役立つ類推(アナロジー)を紹介します。
神話1:VOCAを使用するには前提条件となるスキルが必要である
There Are Prerequisites to Using AAC Devices
役立つ類推: これは、子供に本を与える前に、読む能力を期待するようなものです。
私たちは、子供が特定のスキルを習得するのを待ってからVOCAを導入するのではなく、まずツールを与えます。コミュニケーションツールへのアクセスは、一貫したサポートと組み合わせることで、子供たちが時間をかけて表現能力を構築し、強化することを可能にします。
神話2:VOCAを使用するには持続的な注意(集中力)が必要である
Sustained Attention is Required for AAC Use
役立つ類推: 言語学習は、パーティーで流れるBGMを聞いているようなものです。
あなたが常にスピーカーに集中していなくても、メロディーは吸収しています。子供たちは、AACの学習を始めるために完璧な注意を必要としません。彼らに必要なのは、反復的な露出(繰り返し触れる機会)だけなのです。
神話3:VOCAの操作には指の巧緻性や微細運動能力が必要である
Children Need Finger Isolation/ Fine Motor Skills to be Given Access to AAC
役立つ類推: VOCAの使用を学ぶプロセスは、子供が食べることを学ぶ方法に似ています。
最初は食べ物全体を手で掴み、次にピンチ(指先)を使い、最終的に道具を使えるようになります。フォークとスプーンをマスターするまで食べるのを待たせないのと同じように、コミュニケーションサポートを提供するために特定の節目を待つ必要はありません。VOCAも同様に機能します。より大きなボタンやスイッチなど、子供の現在の運動スキルに合ったツールから始め、練習とサポートを通じてスキルが成長するにつれて調整していくのです。神話4:VOCAは発話の発達を遅らせたり、子供が話すのをやめさせたりする
AAC Will Slow Down or Stop Speech Development / AAC Will Make My Child Dependent and Stop Talking
役立つ類推: VOCAをサポートとして使用することは、映画で字幕を使用するようなものです。
字幕は理解をサポートしますが、聞く能力がある人から音声を聞くのを妨げることはありません。VOCAは発話をサポートするものであり、置き換えるものではありません。また、VOCAは自転車の補助輪に例えることもできます。補助輪は子供が乗ることを妨げず、練習に必要な安定性と自信を与えます。同様に、VOCAは発話を発達させている間にコミュニケーションの手段を提供し、実際には、話し言葉の基盤をより早く構築するのを助けることがよくあります。
神話5:VOCAデバイスは幼い子供にはハイテクすぎる
AAC Devices Are Too High-Tech for Young Children
役立つ類推: ハイテクVOCAは電灯のスイッチのようなものです。
幼い子供は、部屋を照らすために電気の仕組みを理解する必要はありません。同様に、彼らはVOCAのすべての機能を完全に把握しなくても、意味のある使い方を始めることができます。適切なサポートがあれば、幼い子供でもボタンを押すことでコミュニケーションが「オン」になることを学べるのです。神話6:VOCAを使い始めるには特定の年齢でなければならない
You Must Be a Certain Age to Start Using AAC
役立つ類推: VOCAを始めることは、庭に種をまくようなものです。
種を早くまくほど、成長する時間が長くなります。コミュニケーションを学び始めるのに「幼すぎる」ということはありません。神話7:進歩が見られない場合は、VOCAの使用を中止する必要がある
AAC Use Should be Discontinued if Progress Isn't Seen
役立つ類推: VOCAを始めることは、楽器を渡してすぐに演奏できることを期待しないようなものです。
VOCAの使い方を習得するには時間がかかります。これは、誰かに楽器を渡してすぐに完璧に演奏することを期待しないのと同じです。新しいスキルと同様に、最初はどうすればいいかわからないかもしれませんが、時間、デモンストレーション(モデリング)、そして継続的なサポートによって、子供は能力を伸ばしていくことができます。
以上、様々な場面で出会う疑問についての解説記事でした。VOCAやAACという、普段見慣れない機器や考え方に直面した際、日常のよくある場面に置き換えて考えてみることで、VOCAという機器への向き合い方のヒントが見えてきます。
以下ご案内する「アクションディクショナリー」は、
―重度の障害があっても、コミュニケーションを楽しもう―
をコンセプトに、肢体不自由の未就学児、学齢時のお子さま向けに、学校や社会の中での活動場面に応じたVOCAやスイッチを活用するためのヒント集です。
今記事:「AAC神話の徹底検証:コミュニケーションの可能性を解き放つ!」と共に、様々な悩みを抱えているお子さまや周囲でサポートをする方々の一助になれば幸いです。
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