「足関節を固定して歩きやすいの?」
出発点は、国際医療福祉大学大学院の山本澄子先生でした。




ひとつの疑問から始まった装具の開発
「つま先が引っかからないように装具は足関節を固定する」
-それが片麻痺者の装具の常識でした。
「足関節を固定して歩きやすいの?」―国際医療福祉大学大学院の山本澄子先生が投げかけたその疑問が、Gait Solutionの出発点となりました。




とことん追求したら答えはシンプルだった
「転ばないための装具」ではなく、「歩きやすくするための装具」を作りたい。
GSは代償歩行ではなく、歩行の再建を目指しました。
100名を超える健常者と片麻痺者の歩行を分析してたどり着いた答えは、歩きやすさのためには「必要最低限度の補助のみでよい」ということでした。
「必要最低限度の補助」とは、足関節背屈筋の機能のみを補助するということ。
つまり必要な機能は、3つ。

底屈制動 :立脚初期の足関節背屈筋の遠心性収縮の機能を補助する
背屈フリー:ヒールロッカー以降の運動を妨げない
背屈補助 :遊脚期に床とのクリアランスを確保する
山本先生が導き出した答えは、とてもシンプルでした。
「歩きやすさ」が形になった初めての装具
「一瞬で大きな力」 それがヒールロッカーを補助するための底屈制動力に求められる条件です。
従来の底屈制動機能を有する短下肢装具のほとんどは、バネ式の底屈制動機構を採用していました。GS開発当初はわれわれもバネ式を採用していました。しかし立脚初期のヒールロッカーを補助するために必要な力をバネにより代償しようとすると、とても大きなバネが必要でした。装具下腿後面に突き出したバネは、階段を下りる際じゃまになり、なにより著しく外観を損ねました。そこで、立脚初期のヒールロッカーを補助するために一瞬で大きな力を発生させられる油圧ダンパーを力源として採用することにしました。
「歩きやすさ」を実現するため油圧式の底屈制動機構を開発しました。
それが「Gait Solution」です。
生活を「楽しく」するデザイン
GSを使用して運動療法を行うことで歩行の再建が図れるようになりましたが、GSにはまだ課題がありました。
装着者が「使うことを楽しむ」には十分なデザインではなかったからです。そこで、デザインに徹底的にこだわった装具の開発を行い、できた装具がグットデザイン賞を受賞したGait Solution Designです。
油圧ダンパーは機能を向上させた上で、さらなる小型化に成功しました。足部は機能を発揮できる必要最低限度にまでシンプルにたため、装具の上からさまざまな靴を履くことができるようになりました。
Gait Solution Designは「歩きやすさ」と「おしゃれ」を楽しむことを可能にしました。
新たな挑戦
一つの疑問から出発したGS。その最大の特徴である「歩行における必要最低限度の補助」しか行わないことが、今装具療法において大きな注目を集めています。
異常筋活動誘発のリスクが低く、実際の筋活動に近い働きでヒールロッカーを補助するGSは、正常歩行の動き・筋活動パターンの学習に最適であるため、早期からの歩行訓練に使用されています。「急性期から生活期まで片麻痺者の歩行を支え続ける」という新たな役割を、今担い始めています。

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